番外編0: なぜ「脱力」はわかりにくいのか

公開日: 2016年8月20日土曜日 ピアノ 脱力

こんにちは、リトピです。

「脱力」…よく聞く言葉ですね。レッスン中では、先生が「脱力しなさい!」と言い、様々な書籍では「脱力は、ピアノを弾く上で大事なことです」と書かれている。でも、なぜ、こんなにも大事と言われている「脱力」を、我々はなかなか理解・実践出来ないのでしょうか。

「動作を表さない動詞」はわかりにくい

我々が「脱力」をなかなか理解・実践出来ないのは…初心者だから?まだ練習が足りないから?それとも、自分には才能がないから?…実はどれも違います。

我々が「脱力」をなかなか理解・実践出来ないのは、単に「脱力」する、というのが「動作を表さない動詞」 = わかりにくい言葉だからです(参考書籍『学校では教えてくれない「分かりやすい説明」のルール』)。

例: 「ちゃんとする」ってどういうこと?

なぜ、「動作を表さない動詞」がわかりにくい言葉なのか、ちょっと考えてみましょう。例えば「ちゃんとする」という言葉。子どもの頃…親から「ちゃんとしなさい!」と言われても、何をどうすれば「ちゃんとする」ことになるのかわからなかった経験、ありませんか?それは、親と子どもの間で、「ちゃんとする」の理解に以下のような差があるからです。

  1. 親が思う「ちゃんとする」 = 姿勢を正す、静かにする、など
  2. 子が思う「ちゃんとする」 = どうすることなの? (それがわからないから困っている)

親がよく使う「ちゃんとしなさい」は、子どものためではなく、親自身が楽をするために説明を省きたいだけでしょう。つまり、親は、自分が考えている「姿勢を正すこと」「静かにすること」などという内容を、場面ごとに切り分けていちいち子どもに何度も説明をするのが面倒でしょうがない、と考えており…じゃあ、それらの意味を「ちゃんとする」という言葉に込めちゃおう!、としているにすぎません。

また、そのような曖昧な言葉を使うことは、責任逃れをしていることにもなります。つまり、子どもに対して「ちゃんとしなさい」と言ったとき、その裏には(意識的か無意識的かは別として)、「アナタ…「ちゃんとしなさい」という言葉、どういう意味かわかっているわよね?」というように、その言葉の意味がどういうことか?という判断を相手に投げています。

その指摘後、何か問題があったとき、「ちゃんとしなさい、って言ったよね?なんでできないの?」と、「相手がその言葉を理解できなかった」せいにできてしまう、ということです。

そのような自分勝手なセリフは、何度言い続けても相手には絶対に伝わりません。大事なのは、適当に「ちゃんとしなさい」と言うのではなく、子どもの状況や場面に合わせて、的確な言葉で「姿勢を正しなさい」や「静かにしなさい」などと言うべきです。

本題: 「脱力」ってどういうこと?

では、「脱力」はどうでしょう?「ちゃんとする」同様、ちょっと考えてみましょう。先生から「脱力しなさい!」と言われても、何をどうすれば「脱力する」ことになるのかわからないという経験、ありますよね?それは、先生と生徒の間で、「脱力」の理解に以下のような差があるからです。

  1. 先生が思う「脱力」 = こうやって弾く、ああやって弾く、など
  2. 生徒が思う「脱力」 = どうすることなの? (それがわからないから困っている)

先生がよく使う「脱力しなさい」は、生徒のためではなく、先生自身が楽をするために説明を省きたいだけでしょう。つまり、先生は、自分が考えている「こうやって弾くこと」「ああやって弾くこと」などという内容を、場面ごとに切り分けていちいち生徒に何度も説明をするのが面倒でしょうがない、と考えており…じゃあ、それらの意味を「脱力」という言葉に込めちゃおう!、としているにすぎません。

また、そのような曖昧な言葉を使うことは、責任逃れをしていることにもなります。つまり、生徒に対して「脱力しなさい」と言ったとき、その裏には(意識的か無意識的かは別として)、「アナタ…「脱力しなさい」という言葉、どういう意味かわかっているわよね?」というように、その言葉の意味がどういうことか?という判断を相手に投げています。

その指摘後、何か問題があったとき、「脱力しなさい、って言ったよね?なんでできないの?」と、「相手がその言葉を理解できなかった」せいにできてしまう、ということです。

そのような自分勝手なセリフは、何度言い続けても相手には絶対に伝わりません。大事なのは、適当に「脱力しなさい」と言うのではなく、生徒の状況や場面に合わせて、的確な言葉で「こうやって弾きなさい」や「ああやって弾きなさい」などと言うべきです。

まとめ

「脱力」という言葉がわかりにくいのは、単にそれが「動作を表さない動詞」であり、何をどうすればそれが実現できるのかを明確にしていないからです。また、そのような言葉は、自分が楽をするために、そして、責任逃れをするために、使用されている、と考えましょう。

つまり、先生の説明で出てくる「脱力」などの「動作を表さない動詞」がわかりにくいと感じたとき、その責任は理解できなかったアナタではなく、説明を省き、楽 & 責任逃れをしようとしている先生側にある、ということです。

このサイトでは、なるべく、そのような曖昧な言葉、「動作を表さない動詞」を用いずに、ピアノ持論を展開していきます。

では。

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