理系ピアノ奏者におすすめの書籍5: 挑戦するピアニスト 独学の流儀
こんにちは、リトピです。
こちらは、理系である私がおすすめする書籍をご紹介するコーナーです。 今回ご紹介する5冊目はこちら。
カッコいいタイトルですよね。普通に音楽以外の仕事をしつつ、コンクール入賞をした金子一朗氏のピアノに対する熱い思いと、数学者 & 独学者ならではの課題解決法を学べる書籍です。
この書籍を読んで、特に目から鱗だったものはこちら。
- 独学者のピアノへの生き様が読み取れる
- 金子氏は学生の頃からレベルの高いピアノ弾きだったようですが、その後のケガ、コンクール入賞までの流れはスゴイです。
- 一つの作品を「11の意識」に分けることが大事
- 自分自身で一つの作品を表現するにはこの「11の意識」が重要とのこと。納得します。ぜひ読んでみてください。
- どんなフレーズも分解すれば解決策が見えてくる
- ピアノ奏法を事細かく分解されているところがスゴイ。無理やりに感じる点や理解するのが難しい点があるが、ここまで分解し練習できれば、どんなフレーズも弾ける自信がつくと思う。
ピアノ曲を仕上げるために、弾けない部分の理由をさまざまな角度から検証し、いわば、「科学」してきた。
- ハノンやチェルニーなんか嫌い
- いいこと言いますね (笑)。『シャンドール ピアノ教本』同様、音楽的に稚拙かつほとんど役に立たない、とのこと。でも、こういうこと言ってもOkな人って実力者だけだよなぁ...
- 大事なのは楽典
- 音楽的側面から難題を解決する方法が学べるのが、この書籍の醍醐味だと思う。
まだまだこの書籍から学んだことはたくさんあるので、ご紹介していきたいのですが、今回はこの辺で。
とっても良い書籍なのですが、金子氏自身が若干「脱力」信者っぽいのが残念...私の見解では少なくとも2つの間違いを冒しています。
- 「意識して力を抜かない限り...」と言っているが、そもそも人間は意識して「脱力」できない。 (記事「番外編1: 重力を利用した演奏方法の正しい解釈」を参照)
- 「弾かない指の脱力」とあるが、指の筋肉は一本一本に与えられているわけではないので、一つの指で鍵盤を押しながら別の指を「脱力」出来るはずがない。本来は指を「協調」させるための意識をする必要がある。(記事「お悩み相談室4: 指を独立させたいのですが...」を参照)
では。
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