理系ピアノ奏者におすすめの書籍3: ピアニストの脳を科学する 超絶技巧のメカニズム
こんにちは、リトピです。
こちらは、理系である私がおすすめする書籍をご紹介するコーナーです。 今回ご紹介する3冊目はこちら。
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恐らく、理系のピアノ弾きの皆様でしたら、すでに手に取って読まれていることでしょう。タイトルに惹かれますよね。しかもすごいのが、タイトル負けしてないところですよね。さらに、この書籍には「脱力」が悪である証拠がたくさんちりばめられていました。
この書籍を読んで、特に目から鱗だったものはこちら。
- プロとアマチュアの違いを感覚ではなく理論的に説明している
- これは面白いです。ピアニストの脳の大きさがアマチュアより大きい、とか、いろんな実証結果を見ることができます。
- アマチュアの打鍵方法はプロと全く異なっている
- 打鍵後の比較は面白いですね。これが「脱力」信者の打鍵結果です。本来は腕の重さが鍵盤にかかり続けないように上腕や前腕の筋肉を使って、腕全体を支える (上向きの、重力に反発するだけの)力が必要ですから。アマチュアがそれを怠っているというのが見てわかります。また、打鍵時のアマチュアの打鍵方法がまさに自由落下によるもの、というのがp.171の図ではっきりとわかります。これが「脱力」や重力奏法をこよなく愛した結果ですよ。さっさとそんな悪の奏法は捨ててしまいましょう。
- プロはひじの回転力も加えて打鍵している
- この実験結果によって、シャンドール氏の言う身体・筋肉の「コーディネート」が正しい、というのが証明されましたね。
- ピアノの音量は力積で決まる
- 確か、はっきりと「力積」という言葉は使ってなかった (そもそも縦軸がFじゃない)と思いますが、重要なことがさらっと書かれていましたね。詳しくは、記事「本当は怖い重力奏法5: ピアノの音量を決める本当の要素」をご参照ください。
- イメージ・トレーニングだけでも指を動かす神経細胞が活発に
- これは朗報。ピアノが弾けない時でも練習できますね。ちなみに、指を速く動かすために必要なのは「脱力」ではなく、神経細胞の量です。ご注意ください。
まだまだこの書籍から学んだことはたくさんあるので、ご紹介していきたいのですが、今回はこの辺で。
プロとアマチュアの違いの実証結果が書かれていてとても面白いのですが、実践方法についてはほとんど触れられていおりません。この書籍の内容を実践にうまく落とし込めているのは『シャンドール ピアノ教本』かな、と思っていますので、気になる方はぜひそちらもお読みください。
では。
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